子宮・卵巣の異常

Uterus

子宮・卵巣の異常|文京区春日の婦人科クリニック - なおレディースクリニック

子宮・卵巣の異常

子宮には、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮頸管ポリープ、子宮内膜ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなどの病気があります。また、卵巣には、子宮内膜症によるチョコレート嚢腫、その他の卵巣嚢腫、卵巣がんなどの病気があります。人間ドックで異常を指摘された方はご相談ください。また、これらの病気を早期発見するためには、定期的な検査が重要です。是非、当院で定期的にドックをお受けください。

  • 子宮筋腫
  • 子宮腺筋症
  • 卵巣嚢腫
  • 子宮内膜症
  • 子宮頸管ポリープ
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん など

子宮内膜症

子宮内膜症

本来、子宮の内側にあるべき子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、子宮の内側以外の場所で発生してしまうのが子宮内膜症です。子宮内膜症は女性ホルモンの影響で進行し、近年の晩産化・少産化に伴う一生の月経回数の増加によって発症率も増えています。

子宮内膜症ができやすい場所

子宮内膜症ができやすい場所として、卵巣、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を後ろから支える靭帯)、膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間のくぼみ)などがあげられます。
稀ではありますが肺や腸にもできることがあります。

このような症状があります

主な症状は、様々な痛みと不妊です。痛みの中では生理痛が最も多く、その他、性交痛、排便通、排卵痛、腰痛、骨盤痛、下腹部痛も引き起こします。不妊に関しては、子宮内膜症を患っている方のうち30~50%の方が不妊症を合併していると考えられています。
特に、卵巣にできた子宮内膜症を卵巣チョコレート嚢腫といい、卵巣予備能の低下による不妊、破裂や骨盤内感染、卵巣がんのリスクになります。
また、子宮筋層内にできた子宮内膜症を子宮腺筋症といい、強い痛みを伴うだけではなく、月経量が多くなり貧血症状を引き起こします。

治療方法

大きく分けて薬物療法と手術療法があり、症状の種類や重症度はもちろん、年齢や妊娠の希望などを総合的に判断して最適な治療法を選択していきます。
薬物療法には、低用量ピルや黄体ホルモン剤、GnRHアゴニストなどがあり、女性ホルモンの分泌を調整することで症状を緩和させます。

子宮頸がん

子宮出口の部分を子宮頸部、子宮上部の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんと言います。

子宮がん検診

一般的には、子宮がん検診は「子宮頸がん検診」を指します。子宮頸がんは子宮がんのうち約7割を占め、若い世代に多いがんです。最近では20代・30代の若い女性に増えてきており、発症のピークは30代となっています。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こることが知られています。HPVは性交渉によって感染し、性交渉の経験がある女性の80%以上が50歳までに感染するといわれています。したがって、出血などの症状がなくても、性交渉の経験がある方はHPVに感染している可能性があるため、子宮頸がん検診を毎年受けることをおすすめします。

検査

まず、スクリーニング検査として、子宮の出口である頸部をブラシなどでこすって細胞を採取して検査をする子宮頸部細胞診を行います。この検査が子宮頸がん検診を指します。子宮頸部細胞診検査で異常が認められた場合には、「コルポスコピー検査と組織診」という精密検査を行います。コルポスコピー検査で、子宮頸部をコルポスコープという拡大鏡で観察し、病変がありそうな部分から組織を取り、どの段階か確定診断します。
いずれの検査も、月経中でない時受けることが望ましい検査です。
組織診で、高度異形成(CIN3)・上皮内がん(CIS)・がんの場合には手術が必要となりますので、手術可能な施設にご紹介いたします。
軽度異形成(CIN1)・中等度異形成(CIN2)は、HPVジェノタイプ判定を行った上で、3~6ヶ月ごとの定期検診となります。

早期発見、早期治療

子宮頸がんは、初期では自覚症状がほとんどない病気ですが、定期的な検診により初期の段階で発見することができます。がんになる前の段階「子宮頸部異形成」という状態で発見することも可能です。子宮頸部異形成や上皮内がんという初期のがんであれば、円錐切除やレーザー治療などで子宮を残すことが可能です。また、治療後に妊娠や出産することも可能となります。子宮頸がん検診で早期発見し、早期治療することが可能です。定期的に検診を受けましょう。

HPVワクチン

コルポスコピー検査

コルポスコピー検査というのは、コルポスコープという顕微鏡のよう機械を使用し、子宮の出口(頸部)を拡大して観察する精密検査です。拡大することができますので、肉眼では診られないより細かい観察が可能です。通常はコルポスコピー検査と、異常が疑われる部位の組織診を合わせて行い、診断をします。
コルポスコピー検査は主に、子宮頸がん検診で何か異常が指摘された方に対しての、確定診断としての精密検査です。

子宮体がん検査

子宮体部に発生するがんが子宮体がんで、近年、日本の成人女性に増えているがんの一つです。子宮頸がんに比べると、40代以降の比較的高齢で発生することが多いです。自覚症状としては、不正出血が最も多いです。更年期あるいは閉経後に不正出血がある場合には、特に注意が必要です。閉経前であっても、月経不順や乳がんを患ったことがある方はやはり注意が必要です。

検査

子宮の入り口から子宮内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取する子宮内膜細胞診の検査を行います。疑わしいところがあれば、さらに、子宮内膜細胞診よりもやや太いやわらかいチューブを子宮の入り口から挿入し、子宮内部にある内膜の細胞を吸い取るように採取する検査を行います。吸引法は、匙のような器具を用いて子宮内膜を掻爬する従来の検査よりも痛みは少なくてすみます。

早期発見

不正出血やおりものの変化があった時には婦人科を受診されてください。早期発見、早期治療が重要です。